映画 キミにきめた!:7つのトリビア
7月15日より公開されている映画『劇場版ポケットモンスター キミにきめた!』に関して、湯山邦彦監督のインタビューが掲載された。今回のインタビューでは20周年記念映画の7つのトリビアについて語られている。
湯山邦彦(ゆやま くにひこ)
テレビアニメの立ち上げ当初から総監督を務め、劇場版20作品すべてを手掛ける、アニメーション演出家・アニメーション監督。
本インタビューは「ネタバレしない程度に、知っておくと作品の楽しみ方が倍増する裏話」を、湯山邦彦監督に聞くというもの。物語の核心にふれるようなネタバレは一切含まれておりませんので、まだ見ていない方もご安心ください。また、前回、掲載したインタビューと内容で若干被っている部分があります。
「キミにきめた」はパラレルワールド
湯山:テレビアニメの初回でサトシとピカチュウがホウオウを見た時、虹色の羽根は落ちてきていないんです。今回の劇場版でホウオウの羽根が落ちてきたところからパラレルワールドに入って行きます。羽が落ちてきた世界と落ちてこなかった世界に分かれていく。落ちてこなかった世界でまだ見ぬポケモンとの出会いを求め、冒険を続けているのが、いまも続いているテレビシリーズです。
サトシがピカチュウを選ぶ理由
湯山:ポケモンのゲーム1作目(1996年発売の任天堂ゲームボーイ用ソフト)で、ユーザーが選ぶ最初の1匹目のポケモンは、フシギダネ、ヒトカゲ、ゼニガメの3種。アニメを作る時に、その中の1匹を選んでしまうと、ほかの2匹を選んだ子どもがかわいそうだな、と思って、違うポケモンにしようと思い、ピカチュウを選びました。見た目のかわいらしさと、『10まんボルト』の電撃による強さ、両方を表現できるとところが魅力でした。はじめた頃は3年続けばいいな、と思っていましたが、気づけば20年。長く続いたのも、ピカチュウのキャラクター性が作品の幅を広げてくれたおかげ。ピカチュウって本当にすごいですね
オニスズメの群れはテレビアニメの20倍
オニスズメの多さは公開前のPVでも大きく話題になりましたね。
湯山:アニメの初回は50羽くらいなんですが、今回の劇場版では1000羽います。初回の当時は手描きの限界がありましたが、今回はCGなので500羽にしたら物足りなかったので倍の1000羽にしました。数もはっきりわかっています(笑)
サトシの服装がオシャレに
湯山:サトシの服装はアニメの初回と同じように見えますが、今風に変えています。ゲームシリーズのキャラクターをデザインしている杉森建さんに描いてもらいました。サトシがかぶっているキャップのマークもちょっと違いますし、20年前のサトシのシャツは襟が大きくて、ズボンも太め、しかもシャツインしています(笑)。見比べるまで自分でも気づかなかったんですけど、比べるとかなり違います
冒頭でポケモンバトルをしているトレーナー
湯山:バトルをしていたのは、カメックスとフシギバナ。パラレルワールドとはいえ、時期的に劇場版1作目『ミュウツーの逆襲』(1998年公開)に登場した優秀なトレーナーが大会で出会っていてもおかしくないなと思い、ソラオとスイートを登場させました
20周年の象徴
湯山:ポケモンセンターでポケモンを回復してくれるお姉さん、ジョーイさんは、ゲームをやっている人なら、必ずお世話になっているキャラクターです。子どもの頃、学校の先生にあこがれて教師になる人がいるように、ジョーイさんに憧れた子どもが成長してポケモンセンターで働くこともあるんじゃないかと思って。ポケモンで育った中川さんにジョーイさんを演じていただくことは、20周年の象徴になると思いました
この発言に対して中川翔子さん本人も反応を示している。
@shoko55mmts
湯山監督の言葉に涙。
ポケモン20周年を生きて一緒にお祝いできて幸せ!
ポケモンに出会えた子供時代から大人になってから今まで
夢を持つこと、大好きな気持ちがパワーになること、ポケモンから教わりつづけています。
サトシは永遠の10歳
湯山:実は旅立ってから時間はそう経っていないんです。サトシは永遠の10歳。これまでずっと10歳だったころの自分に向けて作ってきた感があって、サトシと同い年の子どもが観て、喜べるだろうか、楽しめるだろうか、というところに必ず軸足を置いて作ってきました。10歳の頃、好きになったものが、大人になってもずっと好きなことってありますよね。余計なものが増えていくだけで、突き詰めて核となるところは10歳の頃とあまり変わっていない気がするんです