ミミッキュとはピカチュウの人気にあやかって自分の化けのかわを作って生活しているフェアリー/ゴーストタイプのポケモンである。外見、中身ともに謎に包まれたポケモンであるが、いったいどのような生態であり、どんな進化をたどってきたのかを仮説を立てながら考察していきたい。
なぜ「擬態」する必要があるのか
そもそも擬態とはどういった場面でするものなのだろうか。それは自分の身を守るためではないだろうか。自分の身を守るために触角を伸ばしたりする幼虫などがいる。これらは大きく見せることで相手に危険視される、それによって襲われるリスクを軽減させることができると考えられた進化方法である。
ミミッキュはピカチュウのように親しまれるよう擬態しているという説も見受けられるが、上述したような外敵から身を守るための”生態系の進化”という観点から思考すれば、むしろ近寄ってほしいのではなく近寄ってほしくないからピカチュウに擬態していると考えるほうが自然だ。ピカチュウは電気タイプ。うかつに触れば電撃をお見舞いされる。他のポケモンならピカチュウの危険性もよく知っているだろう。
もし人気にあやかってピカチュウに似せているという説も正しいと仮定するならば、“自然界に身を置くよりは安全な人間にゲットしてもらう道が妥当である”という一種のネガティブな進化方法という説もあり得る。いずれにせよ”擬態”というのが大きなポイントである。
仮説 – 既存生物の亜種であるという可能性
ここで一つの仮説としてミミッキュとはメタモンの亜種ではないかというのが当方の考えである。”擬態”という点においてポケモン界で一番のプロフェッショナルはメタモンである。姿かたち素材などをへんしんによって変える能力を有したポケモンだ。
では、メタモンの中で個体差として変身が未熟なものはどのように身を守ればよいのだろうか。それが、別流としての進化を辿ったミミッキュという生態ではないだろうか。完全に形を変えて擬態することができなかった。だから手近にいたピカチュウに近い化けの皮をこしらえて生きながらえてきたと考える。
ミミッキュの本体部分(下半分)がややメタモンに似ているのもこのためではないだろうか。大きさ平均値はメタモンが30cm、ミミッキュが20cmと大きさも近い。タイプがノーマルとフェアリー/ゴーストと異なるがこれはミミッキュ側がへんしん以外の能力で補うべく別進化を歩んだ結果と捉えられる。もっとも、メタモンの生態そのものも謎が多くノーマルとしては異形であるので物質としてこのポケモンたちが近いのかということは現在はまだ証明できない。
仮説 – 進化途中であるという可能性
また、別流の亜種ではなくピチュウ→ピカチュウのように進化の途中段階(ミミッキュ→メタモン)であるという説も否定できない。未熟段階での身を守る方法としてフェアリー/ゴーストタイプの技を有しているとも考えられる。
さらに、擬態によって得られる自己の安全性を考慮すれば、ミミッキュ(→メタモン)は、人間に擬態を始めるのではないだろうか。ミミッキュおよびメタモンが種の生存確率を高めるための進化を遂げるのであれば、人間に擬態すれば一番の安全を得られる。そこに向かって進化していく(あるいは一部の個体は既に進化している)のではないだろうか。
しかしながら、このこともまた、証明することはできない。なぜならこの世界にいる人間の全てを調べ上げ、変身したポケモンではないことを証明していないからだ。