「クロマル」というポケモンをご存知だろうか。
ポケモンフリークの諸兄には、「そんなポケモンはいない。いい加減なことを言うな」とお叱りを受けるかもしれない。確かに、ポケモン図鑑に「クロマル」なるポケモンが存在しないことは紛れもない事実である。
クロマルとは
では一体このポケモンは何なのかというと、一部の学者たちが、「シェルダー・パルシェン・モンジャラ・ゴースの中身は皆同じであり、単一のポケモンだ」と主張を続けていて、それらポケモンたちの殻なり蔓(つる)なりの中身にあたる黒い丸を、”クロマル”と呼んでいるのである。
「キリンリキとソーナンスのしっぽもこいつだ」と付け加える者もいる。
クロマル派学者らの主張
なんとも荒唐無稽な話に思えるが、彼らのほとんどは本気でクロマルの存在を信じているわけではない。むしろ彼らが主張したいのは、現行のポケモンの種類の数え方がおかしいという問題なのである。
クロマル派の学者たちは、一部のポケモンたちは本来同種であるにも関わらず、別の個体として計上されているという立場を取る学者である。ニドラン系のみを雌雄で別計上するのはおかしい、プラスルとマイナンも同一個体だ、といった具合だ。
別の学者は、アグノム・ユクシー・エムリット、トルネロス・ボルトロス・ランドロスについても同一の存在だと主張している。もっと極端な例になると、ブーバーは燃え盛っているリザードだ、などと言い出す者すら存在する。
細分化論者
逆に、ポケモンをもっと細分化して分類すべきだとする学者も少数ながら存在する。
姿の違うミノマダムが一括りにされているのはおかしい、チェリムの晴れの姿は一時的な進化と見るべきだ、など、例を挙げればキリがない。こちらも極端な例になると、アンノーンを1形体ずつ別個体として計上すべきだという学者もいる。
荒唐無稽に思えたクロマルから始まるこれらの論争は、果たして決着を見ることがあるのだろうか。しかしながら、元を辿れば生きとし生けるもの皆兄妹。万物の祖先たる真の「クロマル」が歴史のかなたに存在することもまた、紛れもない事実なのである。