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Home ゲーム

【ポケモンSV】ゲームデザイン&UIレビュー 問題点の考察とオープンワールドとしての評価/課題

批判的な感想も多いスカーレット・バイオレットだが、一体どこに問題があるのか。

by Trance Cell
2022年11月22日
in ゲーム, 特集, 研究・考察
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本記事はポケモンSVにおいて、問題となっているポイントについて考察しています。あくまでゲームデザインやUI/UXに対してのレビューであり、技術的なパフォーマンスの問題(例えば低フレームレートや、強制終了エラー、読み込みの遅さなど)に関して基本的には言及しておりませんので予めご了承ください。


満を持して発売された待望のポケモン最新作『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』。シリーズ初のオープンワールドとして制作され、発売直後から記録的なセールスを叩き出している本作だが、ネット上では国内外含め不満の声も大きい。

オープンワールドとポケモンの融合は成功しているようにも思えるが、細かな部分で粗が目立つのも事実だ。またゲームデザインの観点からみると、本作のコンセプトとして宣伝されていた、広大なオープンワールドで”自由に冒険できる”フリーシナリオが、期待されていたよりも実際にはそこまで自由ではなかったいう印象も受ける。そもそもオープンワールドという概念はレベル制と相性があまり良くないと言われることも多いが、そこをどうレベリング調整しているのか楽しみでもあったわけだが…

フリーシナリオ

前述したように3つのストーリーを好きな順番で!本作はフリーシナリオ!!、というのはSVのコンセプトの一つとして提示されてきたが、ゲームデザインとして微妙というか改善できるポイントが明確にある。これは多くのユーザーにとって最も期待外れだった部分であろう。

本作では進行においてレベル調整が一切行われないため、全てのコンテンツを適正レベルで楽しむという当たり前の欲求を模索すると結局はある程度順番が決まってしまう。自由に冒険すればするほど後半にヌルゲーの消化試合だらけになるという設計になってしまっているのは大問題である。全てのコンテンツを丁度いい塩梅で楽しみたければセルフ調整が必須となっているわけだ。

チャンピオンロード

挑んだ順番や進度などの指標により、ジムリーダーのポケモン所持数やレベルを変える仕組みの導入が望まれる。

アニメ『ポケットモンスター The Origin』で描かれたような、ジムリーダーは挑戦者のバッジ所持数によってパワーを調整しているという設定はオープンワールドには適しているし、今までの各シリーズでもそういう世界観設定(どこの町から出発してもジムリーダーの強さは調整されている)なのだと解釈していた。

ポケットモンスター THE ORIGIN より。挑戦者がバッジ未所持であったため、2体のポケモンを選出するタケシ。

ジムバッジ所持数での、捕まえたポケモンが言うことを聞くレベルの制限も一考の余地があり、今回のようなコンセプトであれば、ルートの報酬が他ルートの進行に干渉しかねない事態は避けるべきだろう。

レジェンドルート

ヌシを倒すことが目的の本ルートにおいても、オープンワールド探索およびフリーシナリオの自由度を阻害する明確な問題点がある。

移動手段を拡張するライド技はレジェンドルートの報酬ではなく、マップに落ちている固有アイテムを集めたり、ロケーションの発見、未踏エリアへの到達などで溜まるポイントを消費して任意に習得していくなど、シナリオに関与しないオープンワールドの散策と連動させるのがベスト(後述するが本作のオープンワールドはポケモン探索に終始してしまっているため、それを多少解消する意味でも)。そうでないなら課外授業の開始後、早期にライド技の存在や習得方法を明示するイベントを挿入するべきだ。ヌシの報酬は、冒険のパフォーマンスに影響がでないものが良い。フリーシナリオの報酬が、オープンワールド散策の自由度・快適度に制限をかけてはならない。

ライド技でより自由に、より快適に移動できる。

それぞれのルートをひとつずつ順に楽しみたいというプレイスタイルも当然に予測されるが、手持ちでのセルフ調整をしなければ、残り2ルートは難易度的に蛇足となる。あるルートを優先的に制覇する選択をした場合に他ルート全体の難易度を底上げできるストーリー上のギミックがあればなお良し。

サブクエストがない

オープンワールドといえば道中で出会うサブクエストの数々も魅力の一つだが、セミオープンのLEGENDS アルセウス でさえサブクエらしきものがあったこともあり、完全なオープンワールドとなる本作では多数のサブクエ(ショートストーリー)に期待していた方は多いのではないだろうか。

LEGENDS アルセウスには多様な”サブ任務”が用意されていた。

筆者はサブクエの有無は最も気になっていた部分で、初代からのポケモンファンとしては、オープンワールドに点在する小さなストーリーを含むサブクエとポケモンというコンテンツの相性はあまりにも良いと考えている。ポケモン世界に生きる人々やポケモンたちの日常にフォーカスするサブクエによって、ポケモンと人との共存の在り方や自然に生きる彼らの生態について、テキスト・アニメなどの受動的な媒体ではなく、遂に実現したオープンワールドの中でゲーム体験としてより身近に感じれるのではないかと期待していた。

勇敢なストーリーや冒険譚も良いが、日常にある小さなエピソード(例えばある花屋を営む老夫婦とフシギダネの心温まるおはなし)を垣間見たいという願いも確かに存在している気がするのだ。

アニメ「まっててね!コイキング」より。預かり屋を舞台に、ポケモンと少年の絆が描かれた。

近年では公式の動きとしてシリーズの長期化に伴いより大人向け(=大人でも楽しめる)エモーショナルなエピソードが様々なコンテンツで展開されるようになっているが、ぜひともそういったショートストーリーをサブクエという形でオープンワールドに散りばめていただきたい。

プレイヤーのためのNPC

つまり、オープンワールドを採用した本作に圧倒的に足りないものは、ポケモン世界における日常の描写力である。NPCはプレイヤーのための説明装置ではなく、広大な世界を生き生きとさせる存在であるべきだ。ポケモンの息づく様を身近に感じられるオープンワールドでは、NPCに命を吹き込む作業がこれまで以上に重要なプロセスとなる。ポケモンと共に生きる人々にもフォーカスをあてることで旅の臨場感が増すのではないだろうか。

図鑑UI

図鑑に関しては最悪の問題を抱えている。まず良い点として、ポケモンたちの日常について想像しやすく見ていて楽しい表紙がそれぞれに用意されていること。全体的にデザインも綺麗でプレイヤーの収集欲にも良い感じに作用しているように思える。

しかしながらそれらを無にするほどに悪い点がある。一覧画面でページ送りができない。検索機能があるわけでもない。信じられない。開発・テスト段階で何も思わなかったのだろうか。そんなわけはないので、恐らく何かしらの問題で妥協・先送りにしたと筆者は考えている。それでも何とかしてほしかったが。仕方なくスクロールしていると、なにやらまだ出会っていない新ポケのアイコンが表示され軽くネタバレされることもチラホラ。どういうことだろうか。

生息地の表示に関してもアバウトすぎる上、拡大もできずピンも指せず現在地を連動表示させるなどの工夫もないためユーザビリティが壊滅状態にある。本作は技マシン生成で素材集めが必要なことから過去作以上に生息地周りの利便性は重要なはず。はっきり言ってここ数年のUIで一番酷いのでは。

また、図鑑だけでなく所持品でも同様にページ送りはなし。あれ…、マジで何も思わなかった説もでてきたぞ。ともあれポケットモンスターのコンセプト上、ポケモン図鑑のUIは最も大切であるといっても過言ではないはず。今後のアップデートに期待したい。

ロケーションの印象が薄い

入れない建物がほとんどなのは想定内として、入れる建物は大半がコピペ店(料理店)。店内の空間が用意されていればまだ楽しみようはあったが、実際にはお買い物画面が表示されるのみ。switchの性能の限界なのかは分からないが、とにかくオブジェクトの物量が少なく視覚的に虚しさがあり、それゆえ町ごとの特色も弱く印象に残りづらい。もう少し散策のやりがいが欲しいところだ。

町にせよフィールドにせよ、やはりオープンワールドにおいては、広さに比例したコンテンツやロケーション、ランドマーク(特徴的な建造物など)の充実が満足度に直結する。ただ、switchの限界的な部分は正直あると思うので、前述したようにポケモン世界の日常が垣間見えるサブクエをいたるところに配置し、関連したオブジェクトを少し添えてやるだけで、この問題はほぼほぼ気にならなくなるだろう。ポケモンはその特性上、ショートストーリーを量産しやすいという強みがあり、間違いなくオープンワールドに最大限に活かすことができるはずだ。

お店から出るときのカメラワーク

入店時はほとんどの場合はカメラがお店に対して向いている(キャラが店方向を向いている)状態だと思うが、退店時にはキャラが店に対して逆を向くため、カメラもキャラを追う形で入店時とは逆方向を向く。店内の空間が用意されていないため、プレイヤーの感覚としては瞬時にカメラが切り替わるような印象で気持ちが悪く、そのまま再入店という誤動作も頻発する可能性が高い。

マップUI

オープンワールドがポケモンとして初の試みであること・ライトゲーマー層を多く抱えていることを前提におけば、位置関係の把握は視覚的に容易であるべきであり、初期設定ではマップは北固定にするのが良いのではないだろうか。また、メインターゲット層はあくまで子供であるとすれば、マップを北に固定するためのRスティック押し込みはチュートリアルとして何らかの案内を入れるべきだろう。

初期設定ではマップ回転モード

マップの拡大は4段階で調整可能だが、最大に引いた視点と2段階目の視点では切り替え時にカーソルの位置が維持されないため、全域表示の必要性を最大限に発揮できていない。

ミニマップ

マップ以上に問題を抱えている。そもそも北固定ができない。アップデートでの設定追加が望まれる。

着せ替え関連

ショップUI

これはSVに限った話ではなく従来からの不満だが、商品を色やバリエーション込みでひとまとめで表示するべきだ。商品名を押すと、色やバリエーション選択に切り替わるなど工夫がほしい。

制服を脱げない

服を着せ替えできない点は、不満を感じているユーザーが多いのでは。あくまで課外授業だから制服で…という言い分は理解できるが、そこをリアルにする意味はあるだろうか。グラフィックの制作工数を減らすための口実に思えてしまうくらいに理由としては納得しがたい。

制服の色もバージョンによる差異として取り入れてしまったことにより、それすら変えることができないのも厳しい。制服のままではミスマッチなファッションアイテムやバリエーションカラーが散見される。

設定(コンフィグ)の貧弱さ

従来のポケモンからオープンワールドになりゲーム性が大きく広がりを見せているが、設定できる項目が従来のような少なさでゲーム性に見合っていない。特に今回のゲーム性の変化は初代(デビュー作)ぶりのポケモン・あるいは大人が初めてプレイするポケモン、としての選択肢も多くみられ結果として記録的な売り上げにも反映されている。この結果は制作側としても予測して当然のものであり、貧弱な設定画面はこれらのユーザー層に対して致命的なフラストレーションを引き起こしている。

最低限必要とされる設定項目だが、具体的には…
・カメラの感度
・カメラの距離(Rスティック押し込みで2段階に設定できるが全く説明がない。どこかのモブが説明するだけ)
・カメラのキャラ自動追従OFF(ミドル以上のゲーマー層にとっては特に致命的。酔いの原因にもなりやすい)
・ミニマップ北固定
・バトル中のアニメーションやテキストなど、バトルスピードの変更
etc…

なお、従来にあったバトルアニメーションOFFに関しては、オープンワールドかつシームレスにバトル展開する本作では、世界観を壊したり違和感が生じる可能性があるため慎重になるのは理解できる。恐らく意図的に排除されているのだが、いずれにせよ柔軟なバトルスピード設定がないのはユーザーへの配慮に欠ける。全体的にシームレス(画面切り替えなし)な設計であるため、バトル進行の丁寧さがこれまで以上に悪い意味で際立っている。

あえてオープンワールドを採用した意味を見出せるか否か

ここまでポケモンSVおよびアップデート含む今後の展開で改善が望まれる点について言及したが、こういった批判の大半は”オープンワールド”に対する解釈から生まれる期待と現実の温度差である。特に落差が生じたサブクエやロケーション、ランドマークの物量的問題は、switch(さらには、いずれ発売される後継機)のスペック上の課題ではあるのかもしれないが、それでもポケモンというコンテンツを活かした充実感でオープンワールドを満たすことはできるはずだ。

制作側としては”ポケモンとの出会いや捕獲、そしてバトルこそがメインコンテンツである”との考えから、広いフィールドにポケモンが息づけばそれで良い(サブクエ不要!明確な目的地以外のロケーションやランドマークも配置する必要なし!)との方針でポケモンスタイルのオープンワールドを再構築しているとも言えるが、そうであればあえてスペック的・制作体制的な妥協や諸々の不足が生じるオープンワールドを採用する意味は薄く、これまでの伝統的スタイルを拡張するほうが理に適っている。シリーズの長期化を経て幅広いユーザー層を獲得した今、本当にこのままのスタイルで良いのか制作期間を十分に確保したうえで慎重に検討していただきたい。

ポケモンSV 総評

本作「ポケットモンスター スカーレット・バイオレット」はゲーム作品としての「ポケットモンスター」を次なるステージへと押し上げてくれるパワーに満ち溢れた挑戦的なタイトルだ。今後まだまだ広がっていくポケモンの可能性を予感させてくれる、そんな作品に仕上がっている。

本記事の特性上マイナスなポイントのみを挙げているが、実際のところ面白い部分がそれを大きく上回る素晴らしいゲーム体験を与えてくれた。事前のプロモーションによるオープンワールドへの膨れ上がった期待感を除けば、初代からの1ポケモンファンとして喜びと高揚を感じる第9世代であった。

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