「つきのいし」についての考察
皆様は「つきのいし」という進化の石をご存知だろうか。つきのいしとは特定のポケモンが進化できる石である。このつきのいしは、主におつきみやまやりゅうせいのたきといった月や星に関係のある場所に落ちていることが多く、また野生のルナトーンが持っていることもある。
そんなつきのいしで進化可能なポケモンは、プリン・ピッピ・ニドリーノ・ニドリーナ・エネコ・ムンナ である。一見ピンクでかわいらしいポケモンばかりなので、ピンクのかわいいポケモンしかつきのいしでは進化できないのではないか?と思われがちだが、ニドリーノとニドリーナはそもそもピンクのポケモンではなく、かわいいどころか進化後はむしろかっこよくなってしまうのである。
では、このつきのいしで進化するポケモンの共通点とははたしてなんなのだろうか。
1.序盤の草むらや洞窟に生息しているポケモンしか進化できない説
プリン・ピッピ・ニドラン(ニドリーノ・ニドリーナ)・エネコ・ムンナ。これらのポケモン達はなんと、すべてストーリー攻略の序盤で手に入れることが可能なポケモンである。中でもムンナは主人公の幼馴染ベルの使用ポケモンでもあるため印象に残ったプレイヤーも多いのではないだろうか。序盤で捕獲できるポケモンが何故つきのいしで進化できるのか、詳しい理由は不明だがゲームの進行上こういった設定の方が都合が良かったのだろうか?
ポケモンシリーズはつきのいしの入手個数に制限があることも多く、つきのいしで進化をするポケモン全てを進化させることは非常に難しい。プレイヤーにどのポケモンを進化させるか悩んでほしい…そして家族や友達との通信交換を楽しんでほしい…といった開発陣の思いが込められているのかもしれない。
2.進化後が月に関係あるポケモン説
・プクリン
兎がモチーフ。
進化前であるプリンはおつきみやま付近の草むらに生息。
・ピクシー
妖精がモチーフ。進化前であるピッピはおつきみやまに生息。
つきのひかり、ムーンフォースを習得可能。
・ニドキング / ニドクイン
兎がモチーフ。
「兎に角(とにかく)」の言葉遊びがデザインの由来とも言われている。
・エネコロロ
猫がモチーフ。タマゴグループは妖精。
体のフォルムが三日月に似ている。
図鑑説明に夜行性などといった夜にちなんだエピソードがある。
・ムシャーナ
バクがモチーフ。
つきのひかり、ムーンフォースを習得可能。
このようにつきのいしで進化する全てのポケモンに月が関連している。
※ちなみに日本の伝承には兎は月に住んでいる…といった言い伝えもある。
イーブイがつきのいしで進化する可能性
では、各種の進化の石で進化可能なイーブイは、なぜつきのいしでは進化ができないのだろうか?
イーブイの図鑑説明にはこのような記述がある。
くらしている かんきょうで とつぜんへんい する ふあんていな いでんしを もつ ポケモン。いしの ほうしゃせんが しんかを ひきおこす。(ポケットモンスタールビー サファイア エメラルド)
進化の石は放射線を放っており、それがポケモンの体に当たることでポケモンの遺伝子と共鳴して進化を果たすらしい。しかし、イーブイは複数の進化の可能性があるのにも関わらず、なぜかつきのいしで進化することができない。つきのいしはイーブイを目覚めさせるほどの月の力は秘めていないということも考えられる。
ブラッキーと月
イーブイはなついた状態で夜にレベルアップさせることでげっこうポケモンブラッキーに進化する。ブラッキーは特定の状況下で夜の月の光に触れて始めて進化可能になるため、つきのいしを必要とすることはないのである。
また、ブラッキーの初登場は第2世代に当たるポケットモンスター金銀。ゲーム内で朝 昼 夜 といった現実の時間と連動するシステムが実装されたのもこのポケットモンスター金銀からである。昼夜で進化先が変わるといった画期的なシステムの導入のため、つきのいしで進化するという選択肢が消されてしまったのではないか…ということも考えられる。(※第一作目であるポケットモンスター 赤・緑では、イーブイは3種の石からでしか進化できず、つきのいしで進化をさせることは想定されていなかった。)
結論として、上述した「つきのいし」で進化するポケモンの共通点
- 序盤の草むらや洞窟に生息しているポケモンしか進化できない説
- 進化後が月に関係あるポケモン説
これらの条件が覆らない限りは今後の作品でも、イーブイがつきのいしで進化する可能性は低いと言えるだろう。