資源開発の第一線を担う研究機関や企業体にとってはもはや旧知の事実であるが、後学のために改めて標題の件についての提言を残しておく。
我々人間が効率的に資源開発を行おうと画策するならば、まず注目するべきはポケモンの分布だ。どの地域にどのようなポケモンが生息しているか、それがその地に眠る資源の正体を示す何よりの標となる。
例Ⅰ:特殊金属膜(メタルコート)
分かりやすい例を挙げよう。ジョウト地方の西端「だんがいのどうくつ」には、イワークとハガネールが両方生息しているが、「おつきみやま」や「つながりのどうくつ」にはイワークしかいない。
これは、「だんがいのどうくつ」を掘ればメタルコートが得られるが、「おつきみやま」や「つながりのどうくつ」を採掘してもメタルコートは得られないという仮説を立てる根拠となる。
例Ⅱ:純金(きんのたま)
応用を効かせることも出来る。セキチクシティ西側に生息しているベトベター達は、貴重品であるきんのたまを体内に溜め込んでいることがあるが、この場合、出土元として怪しいのはセキチクシティより北部に位置する街や水道ということになる。
クチバシティ・タマムシシテイあたりから、サイクリングロードの長い下り坂に沿うように走る水流に乗って流れ着いたものと見られるが、仮に資源として「出土」したのでなければ、港やゲームコーナーが関与した何かしらの人為的な活動の結果、貴金属がこの場所に流れ着いている可能性も生じてくる。
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他にも例を挙げれば枚挙に暇がない。
サニーゴの生息域から水質を推し量り、海底資源の分布を予測することも出来るし、草むらに現れるコイルから周辺の磁場の特異性を察知することも出来る。全てのポケモンの分布図が、効率的な資源開発を行うための標となって活用出来るというわけだ。
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最後に、資源開発などには興味が無いという文系読者のために、少しばかりオカルトめいた謎を提起して筆を止めよう。
全てのポケモンの分布図が何かを示しているというのであれば、赤いギャラドスが出た湖付近に生息するキリンリキが双頭である事実や、未だ謎の多いアルフの遺跡付近にこれまた謎の多いドーブルがひっそりと生息している事実にも、何らかの理由が求められるのかもしれない。