ポケモンバトルに優れた才覚を発揮し、巧みな軍師が如く的確に指示を飛ばすトレーナーであっても、いざ自分自身の人生を見つめる時期に差し掛かると、誰しも出口のないトンネルに迷い込むものである。就職活動期に差し掛かったトレーナーの中には、手持ちのポケモンに個々の資質や目標を見出すことは出来ても、自分自身に同様の分析を行うことが出来ずに苦悩する者も多いという。
人生の方向性
トレーナーたちはいかにして、自分の人生の方向を見定め、歩みを進めていけば良いのであろうかー。
トレーナーたるもの、全てはポケモンから学ぶべきである。昨今注目されている自分探しの手法として、「バルキーメソッド」「ヨーギラスメソッド」という2つの考え方が存在するのをご存知だろうか。それぞれ、バルキーとヨーギラスの成長の在り方を参考にして体系化された方法論である。
バルキーメソッド
「バルキーメソッド」は、とにかく基礎に重点を置き、自分の資質を見出すまでは無暗に動かないという考え方である。
バルキーは進化してこそ、パンチやキック、カポエイラといった完全特化型の格闘スタイルを見出していくが、十分に自分の才能を自覚するまでは頑なに「体当たり」だけを鍛え続ける。基礎を固めてこそ見えてくるものがあるのだという、じっくりと腰を据えた自分探しの方法である。
ヨーギラスメソッド
対する「ヨーギラスメソッド」は、自分自身の資質はさておき、とにかくやりたいことを先にやって、自分の能力は後から追いつかせるというものだ。
ヨーギラスはその力こそ未だ不十分ではあるものの、地震は起こすわ雪崩は起こすわ、挙句の果てには破壊光線すら放って見せる。そうこうしているうちにサナギラスとなりバンギラスとなり、自分自身の能力が扱う技の迫力に追いつくというものである。スピード化社会に染まったせっかちな現代人には、こちらの考え方の方が合っているとも言える。
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人もポケモンも無限の可能性を秘める存在であり、それがどのように花開くかはやってみるまでわからない。とはいえ、資質を重視してまずは基礎を固めるのか、ともあれ目標を重視して背伸びしてでも高みに噛り付いていくのか、そのいずれの手法が自らに合っているかを見定めることは出来るであろう。バルキーとヨーギラス、この2種類のポケモンが、我々に自己の在り様を見つめなおさせてくれるのだ。