先日、筆者のもとに非常に興味深い研究結果が寄せられた。
自分自身のポケモンを所有し、日々バトルに勤しんでいる少年少女達は、そうでないグループの子供たちと比較して、より正直で嘘を吐かないというものであった。
若きトレーナーたちの実直性
研究そのものはシンプルで、子供たちにYes・No形式で答える100問程度の簡単な問いが与えられるテストをするというもの。他愛ない問いに見えて、自分を良く見せようとして背伸びをさせてみたり、見栄を張って嘘の回答をしやすいように工夫がなされており、回答データからは子供たちがどれだけ正直にありのままに問いに答えたかが推し量れるようになっている。
結果として、ポケモンバトルに熱心な子供たちのグループほど、回答結果の矛盾が少なかったというわけだ。
この結果を見て、筆者は「なるほど」と感心した。確かにポケモンバトルに励む子供たちは皆正直である。「虫取り少年」と名乗りながらギャラドスやミロカロスを繰り出す少年はいないし、「サイキッカー」は決してゴーリキーに空手チョップを命じたりはしない。まだ10歳にも満たないような「ふたごちゃん」たちであっても、正々堂々とルールに則りたたかっている。
負けそうになったからといって泣き喚いたり、トレーナー自ら相手のポケモンに攻撃を仕掛けにいくような子供を、筆者は見たことがない。
恐らく、子供たちはポケモンを育て、共にバトルに励む経験を通して、一種の騎士道精神を培っていくのではないかと筆者は考えている。現状を正しく認識するだけでなく、今の自分達に誇りを持ち、正々堂々と振る舞っている。そういった彼らのマインドが、先の研究結果に表れているのだろう。
あるいは狡猾なる策士かー
しかしながら、物事はなんでも逆の側面から眺めてみることが重要だ。
同じ研究結果を見て、このように分析する人もいる。「ポケモンバトルで論理的な思考を獲得した子供たちは、自分がどのようにテストに回答すればどのような結果が表れるのか、そこまで読んで見通しているほどに狡猾で知恵が働く」というものだ。
そう、彼らは単純に素直なだけではないのかもしれない。
そう言われれば、筆者も先日、まだ年端もいかないような「短パン小僧」とたたかった際、コラッタにドサイドンを落とされるという衝撃的な敗北を喫したものである。あの子供は、たかが子供を相手にしているというこちらの慢心を完全に見透かしたうえで、コラッタにタスキとがむしゃらとでんこうせっかを与えたのだ。