ポケモンのお菓子やカレーの材料として使われる貴重なきのみ、「ドリの実」。このきのみの解説を読むと、「見ただけで苦い」とある。見ただけで苦い。そんなことがあり得るのだろうか。
今回、私はこの貴重なきのみを入手することに成功した。
順を追って解説していく。
1.ドリの実について
まず、このドリの実というきのみは、恐ろしく苦い事で知られている。そして、その身を守るように生えている鋭い棘。
何より特筆すべきは、その独特な臭い。
加工しなければまず食べられたものではないだろう。
- みただけで にがい。 あまりにも にがいので そのままで たべたひとは だれもいない。
- とんでもなく にがい きのみで これを ひとかじり すれば しゃっくりも いっしゅんで とまる。
2.臭いの成分
この独特な臭いは、ホウエンにあるフエン温泉の付近で観測される臭いや、アローラのヴェラ火山公園で観測される臭いと近い成分であることが解明されている。
超古代ポケモンが眠ると呼ばれる山の麓と、神の山と呼ばれる山の麓…そこで観測される臭いと近い成分。ドリの実がいかに恐ろしい物質であることかがおわかりいただけただろうか。
3.見ただけで苦いのか
さて、本題といこう。厳重に梱包されたこのドリの実を目の前に置き、私のパートナーであるデスカーンに開けてもらう。余談ではあるが、デスカーンにはヒトで言うところの鼻に当たる器官が存在しない。この実験には最適である。
少々手間取っているようだがその影のような手でなんとか梱包を外し、遂に私の目の前にドリの実が現れる。途端に、刺激臭とも云えるその独特な臭いが、鼻を刺した。みるみる内に臭いに取り囲まれ、思わず鼻を摘む。
しかしそれでは終わらない。なんと、臭いというものが可視化され、目に直接刺さるようになった。これは流石に想定外であり、目を閉じたところで遅かった。もう体中が侵食され、頭が痛くなる。見ただけで苦い――その真相はこういうことだったのだ。
4.その他
実験で使用したドリの実は、余すことなく食すことを条件に譲り受けたので、様々な状態に加工した。その身から出来たポロックやポフィンは賢さを上げ、カレーはなつき度を上げる。
しかし、棘棘の皮の方は、どう頑張っても食べられなかった。仕方がないのでデスカーンに与えたところ、あの怒り顔が曇ってゆき、最後には取り込むことを諦めた。
…デスカーンすら食わない果実。
ドリの実は恐ろしい。
(デスカーン編集部/ヨモヤマ)