僕はたんぱんが好きだ。
いつも短パンを履いているから周りからは”たんぱんこぞう”なんて呼ばれていたりもする。短パンはもはや僕のポリシーと言っても過言ではないだろう。
先日の話だ。ポケモントレーナーになって、ある程度賞金を稼げるようになった僕は、自分のアイデンティティである短パンを新調しようと、ブティックを訪れた。ところがブティックに並ぶ商品にさっと目を通してみて思った。
短パンが1つもないじゃないか!!!
せっかく自分で手に入れた賞金で初めて買おうと思ったのに。
僕は店員さんに尋ねてみた。
「すみません。男性物の短パンってないんですか?」
「申し訳ありません。当店では取り扱っておりません。」
なんと、どの街のブティックにも短パンは売ってないとのことだった。
そんな馬鹿な……!
それでは僕のアイデンティティの膝小僧を見せられないじゃないか。諦めきれなかった僕は、お客様の意見ボックスに意見を書き込んでみることにした。
「ブティックには色んな種類の服があると聞いたが、短パンは置いていなかった。新作が出るのであれば、短パンも置いてほしい」
意見を提出して1か月後、僕はもう一度同じブティックに訪れた。
果たして僕の意見は反映されているのだろうか。
「貴重なご意見ありがとうございます。短パンを入荷してほしいとのことで、かねてより当社でも検討したいと考えておりました。近々入荷しますので、その際はぜひお買い求めください。」
なんと、僕の願いがブティックに通じたんだ…!!
であれば、近い未来に買う短パンに似合うキャップ帽を一足先に買っておこう。
そう思って帽子に付いている値札を見てみると、12000円の文字が。
あれれ、初の賞金は134円だったんだけどな?
僕は次にブティックに行くときのために、もっと強くなって多くのトレーナーから賞金を稼ぐことを短パンに誓った。