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『ピカチュウのことが好きすぎたので』
開発段階におけるゲームフリーク社内での評判は、どうだったのでしょうか?
杉森:出来上がっていたドット絵のポケモンをプリントして「一覧の中でどのポケモンが好き?」ってアンケートをとったら、ピカチュウが断トツだったんです。このアンケートは、ゲームの容量制限で登場させるポケモンを取捨選択するためのアンケートでした。
にしだ:だいたい最終形態が削られていましたね。2回進化させるよりはバリエーションを求めていたんだと思います。
西野:このアンケートは、単純に見た目だけで評価していました。ゲーム中の能力値とか、そういう部分は設定していない段階だったので、使い勝手とかは、まだ関係ありませんでした。
ということは、ピカチュウは人気が出るんじゃないかと予想していたのでしょうか?
杉森:社内アンケートで断トツだったこともあって、ゲームの説明書に描かれる15匹くらいの公式アートの中の1匹に選ばれるくらいにはなっていましたが、その頃はまだ、プレイヤーの皆さんの反応までは予想していません。
ピカチュウのゲーム設定で何か特別なことがあったんでしょうか? たとえば、ピカチュウの図鑑番号の「25」って、何か意味があるんですか?
西野:ポケモンの図鑑番号は、だいたいゲームに出てくる順番でつけているんです。図鑑を埋めながらゲームを進める際に、突然番号が飛んだりしすぎないように。
杉森:だからピカチュウの「25」についても、特別な意味はないですね。
では、そのほかに何か特別な設定はあるのでしょうか?
西野:実は僕がピカチュウのことが好きすぎたので、プレイヤーの方に「簡単に見つけてほしくない」と思って、「トキワのもり」での出現率を低く設定して、見つかりにくくしたんですよ(笑)。
杉森:謎の独占欲ですね(笑)。でもそうしたことで、逆に価値のようなものが生まれたんですよ。
西野:プレイヤーの間で「最初に出てくるめずらしいポケモン」みたいな扱いになったんです。だからみんなにほしがられましたし、攻略本などにも「ピカチュウをまず捕まえよう」と書かれてしまいました。その結果、みんながピカチュウを持っているという……。完全に意図が裏目に出てしまいました。
『鋭い読み』
ポケモンはゲームだけではなく、アニメやグッズなど、さまざまなクロスメディア展開によって広がっていきました。
杉森:アニメが始まる前でも、当時展開されていたいろんな商品には、たいていピカチュウが入っていました。フィーチャーされているのがわかったので、やはりピカチュウは人気があるんだなあと感じていました。
ピカチュウの人気って、テレビアニメ『ポケットモンスター』で主人公サトシのパートナーになったことも、理由として大きいですよね。
杉森:それはアニメの湯山監督のご判断でしたね。ゲームと同じようにフシギダネ・ヒトカゲ・ゼニガメの3匹のどれかがパートナーになるよう設定したら、その1匹を選ばなかった視聴者にとってギャップが生まれてしまうので、ゲームでは最初に選ぶことができないポケモンにしたかったそうです。そのときすでに、ピカチュウの人気の熱みたいなものを、なんとなく肌でも感じられるほどにはなっていたと思うので、ピカチュウが選ばれたのだと思います。当時はインターネットの情報もほとんどなかったので、ユーザーの皆さんの具体的な反応までは直接届いてはいませんでしたが。
アニメでサトシのパートナーに選ばれたときの感想は、いかがでしたか?
にしだ:不思議と「あ、そうなんだ」というくらいの印象でした。
杉森:リザードンのように立派に進化していくわけでもないし「どうやって強くなっていくんだろう」と当時はそう思いましたけど、「かわいくて強い」というイメージで20年以上やってきているので、鋭い読みだったんだなと思います。
ピカチュウが動いたときの印象は、いかがでしたか?
にしだ:純粋に「かわいい!」って思いました。
杉森:アニメ化されたことによって、我々が影響を受けたこともありました。アニメでは人間っぽい仕草など多彩な動きをするので、ピカチュウの体型も芝居がしやすいように変化していきました。最初はずんぐりした体型だったけど、徐々に首がはっきりしていって、背筋が伸びていっているんです。アニメ放映後に発売された『ポケットモンスター』シリーズに登場するピカチュウは、アニメでの表現に影響を受けていると思います。あとは、まさか「ピカチュウ!」って鳴くとは思わなかったですね。例えるなら、猫が「ネコ!」って泣くのと同じじゃないですか(笑)。「チュウ」じゃないんだと……。
西野:大谷(育江)さんの声が、すごくいいなあって思いました。
杉森:「かわいさ監修」をしてきた西野としても、納得だったと!