イメージにぴったり!上白石萌歌&中村勘九郎の声
ザルードには、大河ドラマ「いだてん ~東京オリムピック噺(ばなし)~」での活躍も記憶に新しい歌舞伎俳優の中村勘九郎が声を吹き込んだ。ぶっきらぼうながらも、ココへの愛情が伝わるような温かみのある声はザルードにぴったり。矢嶋監督も「勘九郎さんはそもそも僕の中にお父さんというイメージがありました。演じる際にも重心を低くしてやっていらっしゃって。ザルードは江戸っ子っぽい昔のお父さん風なところがありますが、それも相まって勘九郎さんにぴったりな役だなと思いました」と満足げだ。
そんなザルードに育てられ、ポケモンと人間の狭間で揺れ動くことになる10歳の少年・ココの声を演じたのは、細田守監督のアニメーション映画『未来のミライ』(2018)でも声優経験がある女優の上白石萌歌。「上白石さんはすごくピュアな声で、ココにぴったりだなと思っていました。ただ、少年役ということですごく男の子ゼリフが多くて、そこには苦労されてた印象で、申し訳ないと思いながら『もう少し男の子っぽく』とお願いはしました。でも、最終的にすごく『あぁ、ココだな』と思うくらいナチュラルでしたね」
特に、上白石は劇中で話す言語の演じ分けにも苦労していたそう。矢嶋監督は「今回すごく難しいのは、(ポケモンの言葉から人間の言葉に)翻訳された言葉とポケモンの言葉、そしてサトシと会話する時に片言で人間の言葉もしゃべるので、演じ分けが必要だったんです。『ポケモン』のなかでこんなに演じ分けるキャラもそんなにいないんじゃないかっていうぐらい演じ分けが多かったので、本当に申し訳ないなと思いながらお願いしていました」と上白石の奮闘を称える。