私には可愛いチビちゃんがいます。私があっためた卵から生まれたフシギダネ。本当にちっちゃくて、ふやふやで可愛かった。
そんなチビちゃんは今や立派なフシギバナです。私のわがままを聞いてくれて、お父さんとお母さんは庭付きのお家に引っ越してくれました。晴れの日は日光浴。雨の日は雨浴びをしてます。私が仕事が休みの日は近くの池のある公園でのんびり散歩したりシートを広げてまどろんだりしています。
ある日、庭にいるチビちゃんにお昼をあげようといつものように「チビ〜、チビちゃんご飯〜」と呼びました。のそのそと歩くチビちゃんのためにドアを開けて待っていると、庭の垣根の向こうからこんな声が聞こえました。
「チビっていうからどんなのかと思って見てみたらフシギバナだったんだけど」
「デカブツじゃん」
確かにチビちゃんは体は大きくなりました。
確かに見た目を見れば似つかわしくない名前かもしれません。
でも私からしたらずっとチビちゃんはチビちゃんです。たまに人から言われることはありました。今まで特に気にしたことがありませんでした。でもその日、何故かそれが消化できなくて。チビちゃんが見てることも分かっていたんですが、ポロポロと涙が止まらなくなりました。チビちゃんがつるで優しく顔を撫でてくれました。でもずっと止まりませんでした。なんでこんなに泣いてしまうのか自分でも分かりません。異変に気づいた母が肩を抱いてくれて、父が帰ってくるまでチビちゃんの傍で泣いてしまいました。
父からは「きっと、チビのことをバカにされたと思ったんだよ。チビのために泣いたお前は本当に優しいね」と頭を撫でてくれました。
夕飯には私の好きなものばかりで、母にも父にもありがとうを言って、その日もチビと隣同士で並んで寝ました。
話がまとまらず、申し訳ありません。多分まだ少しショックなのかな、と思います。でもここで呟けて良かったです。