後悔したこと
2023-06-28

後悔したこと

私は虫タイプが苦手だった。

祖父が育て屋さんをやっていて、幼い頃、初めて譲ってもらったのがヤクデだった。あの時はなんでこんなかわいくないポケモンなのなんて思ったけど、それを正直には言えなかった。足もちょっと気持ち悪いし、何を考えているかわからない。
そこからなんとなくポケモンに苦手意識を持ち始めてしまった。多分、周りの子が持ってるポケモンと比べちゃって劣等感を感じてしまったんだと思う。ヤクデを飼っている手前、他のポケモンを捕まえちゃうと他のポケモンを優先しちゃいそうでそれも怖かった。だから、叔父からもらったヤクデ一匹しか手持ちにいなかったし、そのヤクデすらちゃんと可愛がることもなく。ポケモンという存在からちょっと距離を置いていた。人懐っこいポケモンと目が合うたびに後ろめたい感じがしていた。

ある日、私の事情を知っている友人がチャンピオンカップの観戦に誘ってくれた。なんでもキバナさんのチケットはそうそう取れないらしく「ポケモンじゃなくてもイケメン見る目的で行こう!」って。私は恥ずかしいことにチャンピオンリーグもジムリーダーもあんまり詳しくなかったから、「まあ、イケメンが出てるなら」となんとも最低な理由でOKして観戦することになった。

あの時の情景を今でも覚えている。
確かカブさん、というジムリーダーの手持ちにマルヤクデがいたのだ。ヤクデの進化先が果敢に戦っている。思わず緊張してしまった。そしてキョダイマックスの姿に、鳥肌が止まらなかった。ポケモンって、こんなにかっこよかったんだと。涙が止まらなくなった。確かに大きくなってちょっと姿が変わっただけなのに、こんなにも心が揺さぶられると思わなかった。

戦っている試合を見て、私は試合とは全く関係ない、今までの数少ないヤクデとの思い出を思い出していた。キャンプでカレー作って思ったより食べてくれなくて泣いた日や、友達の真似でポケじゃらししてみても私がビビりまくってお互いに遠慮した日とか。そういうの全部思い出して後悔した。ごめんなさい。君はきっとこのマルヤクデみたいに炎を纏いながらかっこよく活躍できたはずなのに、私がちゃんと接してこなかったから。バトルとかポケジョブとかそういうの避けてきたから。未来を奪ってしまったね。

モンスターボールからヤクデを出してあげて、帰り道わんわん泣いていた。多分、友人はそのマルヤクデが試合に出ることを知っていたと思う。「〇〇はずっとヤクデに優しかったよ、今からでも遅いってことはない」と励まされてより号泣した。友人よ、付き合わせてごめん、ありがとう。

そして、あの日からなんやかんやあって、今日、初めてのジムチャレンジをすることになる。ヤクデがマルヤクデになって他のポケモンもいるけど、凄く緊張する。凄くダラダラ書いてしまったけど、先入観持って苦手意識持つのは良くなかったなという後悔を誰かに伝えたくてここに残しておきます。

20歳
女性
ガラル在住
この記事にイイねする
メール通知登録
通知方法
4 コメント
古い順
新しい順 高評価
Inline Feedbacks
View all comments
匿名
1 年 前

突然失礼、あんまり…と思ってても無碍に扱わずに「ずっと優しくしていたよ」と言われる生活を送ってきて、帰り道で本気で泣けるような人は、きっと今までもこれからもマルヤクデたちの大切なトレーナーなんだろうと思いました。ジム戦頑張ってね

匿名
1 年 前

マルヤクデも、他のポケモンも、試合に連れて行ってくれた人も、みんな大切な友達ですね
私が昔おじいちゃんの家にいたグラエナが怖くて、結局その子が虹の橋を渡るまでかわいがってあげられなかったことを思い出しました
匿名さんはこれからも大切な仲間たちと楽しい人生を歩んでいてほしいと思います
名前も顔も知りませんが、ジムチャレンジ頑張ってください、応援しています

匿名
1 年 前

おお!ジムチャレ!頑張って!
良いんですよ、お互いにお互いを知るきっかけが掴めなかっただけなんですから
掴めなくてもその子を無下にせず関係性を崩しはしなかったのだから十分だと思います

これからの道中、悔しい思いも辛い思いもあるとは思います
でもそれ以上の楽しい事や嬉しい事が沢山あります
貴方とマルヤクデさんに心よりのエールを

匿名
8 か月 前

ガラル地方にはジムチャレンジ?っていうのがあるんですね!島巡りと同じかな?!
私も昔、うちの近所にいたミミッキュがとても怖かったのですが、私がアリアドスに襲われたところを助けてくれて、そこからお互い歩み寄っていき今では仲良しパートナーです(笑)
そんな機会があったってことは、きっとマルヤクデちゃんと運命の糸で繋がってるのかもしれません!
一生掛けてお互いを大事にしてください!応援してます

投稿をシェアする

カントーからパルデアまで全世界で流行っている、記事コンテンツを気軽に発信できるサービスです。Pokelogの愛称で親しまれています。