フワライドタクシーは”フワンテおじさん”の悲劇を思い出せ

ずさんな管理・育成体制が明るみになり関係者の逮捕も目前かとの声もある中、今だ被害者の捜索も続くフワライドタクシー行方不明事件。
ポケモンを用いたサービス運営には厳格な運用が必要であることの教訓として、我々は今こそかつてイッシュ地方を目指し姿を消した”フワンテおじさん”を思い出すべきだろう。

“フワンテおじさん”は「単独ポケモンによるイッシュ地方への飛行」という挑戦を発表し支援を募った。
ゴンドラを作成し備品を積み込み自分も乗り込んでフワライドに運んでもらうというもので、どんな重量級ポケモンも浮かせることで有名な対戦用アイテムの「ふうせん」により浮力を補うことで飛行するという計画だった。
フワンテの育成と「そらをとぶ」の実施に必要なショックバッジ目当てにタンバジムへ通い詰める姿が、地元のコガネラジオを中心にメディアに連日取り上げられ、”フワンテおじさん”の名で世間の注目の的となり、スポンサーとなる人物も現れた。

ある日、飛行実験を行うとして家族や友人、スポンサーやメディアをいかりのみずうみに召集、「ふうせん」を持ったフワンテをゴンドラにくくると無事に上昇。
飛行はいかりのみずうみ上だけで行う予定であったが、ある程度の高度へ到達したところで突如「これからイッシュ地方へ行く」と宣言。
実験を記録するために友人から借りていたピジョットへ「ふきとばし」を指示、周囲の静止も聞かずにそのまま声が届かないところまで飛び立ってしまった。

家族より捜索要請がなされ、警察による捜索が開始。
また、ボランティアとしてキキョウジムとカントーとりつかい友の会も捜索に加わった。
夕方にはシオン沖でゴンドラをつけた進化後のフワライドらしき影が目撃されるが、追いつけずに日も暮れてしまい、これ以上の追跡は困難と判断。
捜索は打ち切られ、以降彼とフワライドを目撃した者はいない。

タンバジムトレーナーの声

毎週のように訪れてきては、同僚のエビワラーに敗れて帰るというのがお決まりの流れでした。
フワンテ相手に戦っても、あまりうちのサワムラーの経験にはならないので、正直にいうと来てほしくはなかったです。
また、万が一ジムを制覇されても何かしらの理由をつけて、ひでんマシンを渡さないことが関係者の間で決まっていました。

ポケモン交通の専門家の声

過去にみずポケモンたちの力を借りながらもホウエン・カロス間を泳ぎ切った例はありますが、ポケモンの有人飛行による地方間移動の前例はありません。
ポケモンリーグの指針では、有人飛行によるポケモン・トレーナー双方の負担を考慮し、近接しているカントー・ジョウト間でも休憩なしの直接移動は制限しており、ナナシマ間のように同一地方内でも移動が制限される場合があります。
そもそも各地方の認定トレーナー以外の長距離移動が制限されていることは言うまでもありません。

事件を目撃した友人の声

当日貸したピジョットが「はねやすめ」を忘れていたことに気づいたときには、どこまでも身勝手なやつだと呆れました。
彼のフワンテは進化してもいいほどに育てられていました。それでも進化しなかったのは、きっとフワライドに進化したら彼が危険な挑戦を始めてしまうのをわかっていて、フワンテなりの優しさとして進化しなかったのではないでしょうか。
そんな心づかいに気づかずにイッシュ行きを決行したことはトレーナーとしてもあまりに未熟な行為といえるでしょう。
ゴーストタイプは自分が驚かすのは好きでも、逆にだましたり不意をつかれるのは苦手なポケモンが多いですから彼のフワンテも悲しく思ったでしょう。
そしてフワライドに進化してまで、一体彼をどこへ連れていきたかったのでしょうか…