この間、ばあちゃんが亡くなってさ。
ばあちゃんは結構な頑固者で、ポケモンも嫌い!みたいな感じで、じいちゃんが亡くなってからはそれに拍車がかかってて、親戚一同めんどくさいし放っておくか、って感じだった。
それで、遺品の整理とか掃除のためにウン十年ぶりくらいにばあちゃん家に行った。
思いのほか汚れてなくて、綺麗好きだったばあちゃんの名残なのかな、なんて思ってた。
リビングに入ったら、居るわけよ。ポケモンが。
まだまだ小さいピンプクが2体も。
めちゃくちゃびっくりして、とりあえず警察呼んで野良なのか確認してもらった。
そうしたら、野良じゃなくてばあちゃんのポケモンだった。
家の中にモンスターボールがあるはずだって探すことになって、見つかったのは遺書と2つのモンスターボールだった。
「私の遺物はどうしてくれて構わない、この子達は守ってくれ」
間違いなくばあちゃんの字で、なんか悲しくて一緒に来た母ちゃんは泣いてた。俺も泣いた。
その後なんだかんだ掃除を終わらせて帰ろうとしたあと、お隣さんが話を聞かせてくれた。
ばあちゃん、半年くらい前にピンプクが家に入り込むようになってきて困ってるってお隣さんに相談したらしく、ゲットしちゃえばって言われたから二匹ともゲットして、そこから亡くなる直前までちゃんと世話してたらしい。
頑固者でポケモン嫌いだったばあちゃんがそんなことしてたなんて思わなくて、怖いからって拒絶してた自分が申し訳なくてまた泣いた。
今、ピンプク達は野良じゃないからってことでポケセンで預かってもらってる。
ばあちゃんの遺品とかは全部処理し終わって、家も建て壊すことになった。
とにかく今はばあちゃんとじいちゃんがあっちの世界で楽しく暮らしてることを願ってる。
う”あ”あ”あ”あ”あ”それは私に効く…
なんでモンボから出てたのかが気になって警察の方に聞いてみたところ、ばあちゃんが心配で出てきたけどどうしようも無くなってたんじゃないか、とのことらしく、ちゃんと愛されてたんだなぁと思うと…