『ハクタイの華』
「あの華には毒がある」
ハクタイの森に咲く、美しい一輪の華。その華の毒は、見た者を狂わせていく。メタモン文庫。
一輪の華を主題に描かれるオムニバスサイコホラーです。
ハクタイの森で道に迷うトレーナーの青年は、言葉を失うほど美しい女に出逢い、そして恋に落ちます。それが破滅の始まりとも知らずに。
女と過ごすため息が出るような眩しい日々と、着実に失われゆく日常。読んでいるとこちらもまるで毒に犯されたかのように夢中になる展開に、ページを捲る手は止まりません。
毒とは、華とは、一体何なのか。女は何者なのか。
歯車が徐々に軋んでいくような音が聞こえる、背筋の凍る一冊です。