お腹の皮に穴が6つも空いてしまったズルッグを保護した。
穴を気にして毎日泣くので、煩くてたまらなかった。
穴が嫌なら閉じればいいと、ティッシュを詰めたら頭突きを食らった。
ならばと、仕事終わりに手芸屋に行ってピンバッジ制作の材料を買った。
ズルッグといっしょに、ああでもないこうでもないと、毎日寝る時間を削ってバッジ制作をした。
無事に6つ出来上がる頃には、私もズルッグもすっかりバッジ制作にハマっていた。
作っても作っても、穴は6つしかないので、一部はフリマサイトで売ることにした。
制作依頼も受けることにした。
そんなことを続けていたら、寝不足で倒れてしまった。
仕事と趣味を全力で続けるのは無理だと医者から言われた。ズルッグは、あんなにやりたがっていたバッジ制作を願わなくなってしまった。
私は仕事を辞めることにした。
笑わなくなった友達に出来ることが、それ以外に思いつかなかったから。
仕事を辞めたと言ったら、ズルッグは出ていこうとした。意味が分からなかったので引き止めたら、ケンカになった。
そんなに簡単に家を出て行こうとするなんて。
私を捨てるなんて、友達だと思っているのは私だけなのかと聞いたら、ズルッグは泣き崩れてしまった。
私も貰い泣きをした。
結局、二人でバッジ制作を続ける事になった。
たまに離れた街に行って、同じく体のどこかに穴があいてしまったポケモンにピンバッジを売っている。トレーナーにはお金、野生なら何か良いものをくれと言っている。
ズルッグはとても良く笑うようになった。
私も、きっと