by @pg████_o
世間から離れ人間以外に育てられたストーリーあるあるの、自分は何者なんだ?!人間にもなれないし!自然にももう戻れない!どうするんだ?!というアイデンティティの悩みの答えが、泣いた。良かった。
ココの答えは「俺は人間だ!俺はザルードだ!そして父ちゃんの息子だ!」だったんだけども、ココらしいなあと。人間でもあり、ポケモンでもあると言えるのすげえことだけども、その前に前提として父ちゃんの息子なんだよココは。
ココは、サトシに助けられて人間の社会に触れた後に「サトシの世界、言葉(人間の言語)を教えろ!」とか「人間らしくなりたい」というのがなくて。モンスターボールのシーンでで「ボールの使い方知りたい!」にならなくて本当に良かった。ココがポケモン捕まえたりボール持ち出したら、森のポケモンたちとの関係性の崩壊だし、父ちゃんザルードとの親子関係も否定することだし、森に絶対戻れない行為になる。
でも、ココはココだった。いつも、どんな時でもココだった。技も使えないし、そもそもザルードたちと見た目違うし、ザルードではないと知って、人間の両親の姿も写真で見た。でもココは、興味はあっても人間に憧れるということはなくて、最後まで「人間で、ザルード(ポケモン)で、父ちゃんの息子」だった。父ちゃんザルードとの絆が、ココのアイデンティティだった。生物学的には人間、そんなことわかってる。ザルードみたいにツルのムチはできない。技も覚えない。でも人間みたいになりたいわけでもない。ましてやモンスターボールでポケモンを捕まえたい、トレーナーになりたいなんて考えてすらいない。ココを形成するものは、父ちゃんザルードだった。父ちゃんの息子ということが、ココを作りあげている。
いつまでもザルード語で話すココだから、展開的に人間の言葉R団が合流してニャースが通訳するのかな?とか思ってたけど、それもなくて。実際にサトシとのやりとりは詳細な言葉でのコミュニケーションできなくて。ポケモンとトレーナーのと簡単な意思疎通しかできてなくて、むしろピカチュウの方がわかって、でも、ちゃんと通じあっていて。ココは無理に変わらなくてもココのままで、言ってることが詳しくわからなくても、わかりあえることができていた。
みんな同じ命、はミュウツーの逆襲にもあるセリフ…表現だけど、ザルードも他のポケモンたちも、森も、人間も、命がある。生きている。みんな生きている。生きているから、それぞれの生き方がある。生き方を選んだり、なりたいものを目指したり、日々変化していったり、守り続けたり。そしてそれを支えてくれる大事な存在がある。大事なものを守りたいと思うのは、人もポケモンも一緒で、親子っていいな、と思える映画だった。自分が「親」と思える存在って、大切だと思った。サトシみたいにママに電話したくなる。…サトシのパパの話はびびった…映画どころかアニメも通して初めてだよね?サトシが自分のパパの話すること…サラッと言ったけど衝撃発言だかんね?サトシくん??わかってる??
そういえばポケモンも捕まえた人(トレーナー)が「親」なんだよね。NN変更できるのも親のみ。ココたちとは違うけど、トレーナーとポケモンも、これもひとつの親子の在り方なのかもしれないね。
最後ココは旅に出たけど、きっと「人間らしく」はならないんだろうな、と思う。服装そのままだろうし四足歩行みたいな走り方続けるし、人間の言葉を少しは話すかももしれないけど、きっとあの片言のままでずっとザルード語は失わない。最初は変な目で見られるかもしれないけど、きっとサトシみたいな人と出会って、本当に人間とポケモンの掛橋になるんだろうな。だってそれがココだもん。「ココらしく」生きていくんだろうな、と思う。オコヤの森に帰って来た時、父ちゃんザルードはまたあのピンクの布をマントに出迎えてくれるかな…
ディズニーのターザン、ジブリのもののけ姫サンはそれぞれ森に帰っていったけども、ココが旅立ったのもまたよかった…人間で、ザルードな自分だからこそできることをしたいと思うことは大人への成長だけど、森を離れることを選ぶことがザルード達への裏切りではなく、本当に前向きなことがすげえよ…「あいつはやっぱり人間になりたいんだ」「森での生活が嫌なんだ」ではなく、ちゃんと理解されてるのがよかった…勝手にしろ!と送り出したものの、荷物にちゃーんと育てたきのみ入れてたし、わかってるよ、ココ。派手に転ぶこともあるだろうけど、思い出して。父ちゃんがいること。
見送りの時のザルード達なりの空のキラキラ(花火)もよかった…オコヤの森でしかできないキラキラだよあれは…粋なことしやがって…10年くらい仲違いしてたんじゃねえのかよお前ら…メカの足止めの時も思ってたけど、群れのチームワーク最強すぎんだろ…もう泣きすぎて目が痛いんだよばかあ…親元離れて歩み出すココに最高の花向けだ…「かわいい子には旅をさせよ」かよ…なんだよもう…お前ら最高だよ…
父ちゃんザルードの「俺は父親になれたのかな?」の答えが「とっくになっていたんだな」にも泣いた。不安で、わからなくて、イライラしたりヤキモキしたり、辛かったり楽しかったり。子育てしてく中でとっくに父親になってた。血の繋がりよりも強い繋がりができた。無償の愛を育んでいた。お前の息子は立派でいい息子に育ったよ。父ちゃんザルードも長老にあのライバル的なザルードに、いい仲間に囲まれててよかった…見た目怖いけど、めっちゃ気持ちのいい奴らだった!!
父ちゃんザルードは、もしかして色セレビィが持ってきた未来のタマゴから孵った存在…?とも思った。そうなると父ちゃんザルードの親は長老たちもだけど、色セレビィもそうかもしれないと思った。
ザルードの曲とか、街の中で過ごすサトシ達の曲とか、歌詞があるのに邪魔しないでしっかりBGMになってて、ポケモン映画の世界に融合してて、めっっっっちゃ良かった。岡崎体育!いい仕事したなあ!!映画の音楽担当最高だったよ!!!
あとさあ!!!コジロウのオールバック!!!!ありがとうございます!!!!好き!!!!!!!!
劇場版ポケットモンスターココ、本当によかった。本当に、よかった。