ポケモンは間違いなく150匹しか存在していなかったのだと断言する
序論
かつて偉大なるポケモン研究の権威はこのように発表した。
「ポケモンは全部で150種類存在する」と。
時代は流れ、今ではその数倍にも及ぶ種類のポケモンが発見され、寡聞なる者たちは先の発表を「不十分な研究による誤報だった」などと浅はかに揶揄することもある。しかし、本稿ではあえて次のように断言したい。「ポケモンは間違いなく150匹しか存在していなかった」と。
根拠
根拠を示してみたい。150匹に追加される形で次々発見されたポケモンの中には、件の150匹に関係性を持ったポケモンがいくつか存在する。
Ⅰ.ハガネール
たとえばハガネールはイワークが一定の条件を満たすことで進化するが、あれほど大きなポケモンが「存在していたのに発見されなかった」のだろうか。しかしながら、ハガネールについては、進化の条件となる素材であるメタルコートが後の時代に発見・生成されたと考えれば、致命的な矛盾を起こすことはない。
Ⅱ.エーフィ
では、エーフィはどうだろうか。このポケモンは、人に慣れたイーブイが朝方に突如姿を変えることで知られているが、ポケモンが150匹しかいなかった時代、人に慣れたイーブイは1匹もいなかったということなのだろうか。あるいはその当時、朝という時間帯はなかったとでも言うのだろうか。
Ⅲ.バルキー
より決定的な例を示そう。エビワラー・サワムラー・カポエラーはいずれもバルキーというポケモンが進化した姿であるが、150匹時代、バルキーとカポエラーは一体どこにいたのだろうか。分岐先であるカポエラーが発見されなかったことはまだしも、なぜ進化元のバルキーの存在は知られていなかったのだろうか。本来ならば先に発見されていて当然ともいえるべき存在のはずだ。
ニワトリのタマゴ問題
これらはまるで、ニワトリのタマゴ問題(「鶏が先か、卵が先か」- ニワトリとタマゴのどちらが先にできたのか)を扱うかのようである。エビワラーが先か、バルキーが先か。しかし、この場合は先に見つかっていたのはニワトリだけで、タマゴは後になって発見されたというのだからなおのこと複雑である。
今なお多くの謎が残るポケモン世界を取り巻くサイエンス。最初に「150匹のポケモンが発見された」のではなく、「150匹しかポケモンがいなかった」世界に、突如として新たなポケモンたちが現れたように思えてならないのである。