今日は有名な洒落ゴス『シンオーサカ駅』を紹介しよう。
とある実況スレに、ハスボーと名乗る人が「気のせいかも知れませんがよろしいですか?先程からリニアに乗車しているのですが、様子がおかしいのです」と書き込んだのが事の始まり。
ちなみに前提として、当時の携帯電話では撮った写真をその場でネットにアップすることは難しかった。なので証拠写真を見せろ的なやりとりはないし、あの時代だからこそ成立した話と言える。
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ある夜、ハスボーさんはヤマブキシティからコガネシティに向かうリニアに乗っていた。しかし到着予定時刻になっても止まる気配がなく、車窓の景色も見慣れないものになっていくのが不安になって、実況スレに冒頭の一文を書き込んだ。
それから1時間ほどして、リニアは「シンオーサカ」という聞いた事も見たことも無い駅に停車した。ハスボーさんはとりあえずホームに降り、どうしようか迷っているうちにリニアが発車してしまったので、駅から出てタクシーを探すことにした。
その時ハスボーさんはある違和感に気付く。大勢の人々が行き交っているのに、誰もポケモンを連れていないのだ。駅で働くポケモンも見当たらない。駅の外でやっとポケモンらしきものを見つけたが、それはマメパトに似ているものの、目がギョロっとした不気味な生き物だった。
怖くなったハスボーさんは居ても立っても居られず、線路に沿って歩き出した。父親に電話して迎えに来てくれるよう頼んだが、父親は、シンオーサカ駅の場所を調べてもわからないので警察に電話しなさいと言う。しかし警察にはいたずらだろうと怒られてしまい、ハスボーさんは途方に暮れた。
遠くのほうからは「ツーレテッテー タコマッサ… ツーレテッテー タコマッサ…」という謎の歌が聴こえてくる。スレの住民は駅に戻るよう勧めるが、ハスボーさんは怖くて後ろを振り向けない。恐怖に震えながら線路沿いを歩き続けると、遠くに誰かが立っているのが見えた。
スレの住民は、怪しいからやめろと必死で止めるが、ハスボーさんはその人に声をかけてしまった。親切な人で近くの駅まで車で送ってくれるという。そこの地名を聞くと「ニシナカジマミナミガタ」という、西か中か南かよくわからない、ありえない地名だった。
ハスボーさんが車に乗ると、その人は次第に無言になり、車はどんどん山のほうに向かっていく。スレの住民が心配する中「様子が変なので隙を見て逃げようと思っています」という一文を最後にハスボーさんの書き込みは途絶え、その後どうなったのかは不明である…
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当時のネット掲示板はこの話で大いに盛り上がり、シンオーサカ駅はどこにあるのか、ハスボーさんはどうなったのか等、盛んに議論や考察が行われた。
「シンオーサカ」は「シンオーサマ(シンオウさま)」の見間違いで、ハスボーさんはアルセウスの不思議な力で異世界に連れて行かれた…という解釈で映画まで作られたけど、正直イマイチだからお勧めはしない。
簡潔にまとめたつもりが長くなってしまった。スレの全文は以下のサイトで読めるから、興味があったら読んでみてほしい。深夜に読むと本気で怖いぞ!
http//pokech/kowai-hanashi/matome
さっそく元スレのまとめを読んできた。車に乗せてくれた「紫色の髪のおじさん」が「アーホンマ… アーホンマ… アカネガ…」って謎の言葉を呟いてるってのが気になった。
アーホンマはコガネ弁の「ああ本当に」という意味で、アカネガはコガネジムでジムリーダーやってるアカネちゃんのことじゃない?
おじさんはハスボーさんが異世界から来たことを知っていて、異世界の扉を開いたのはアカネちゃんの仕業とか?
今ぱっと思いついただけなんだけど…当時の考察スレとか残ってるのかな?読んでみたい
当時は「シンヨコハマ駅」とか二番煎じのスレが立ったり、ハスボーさんの偽物が出現したり、あちこちですごい盛り上がりだった。
今の時代なら「証拠写真を見せろ」「ウソッキー乙」で終わっていた話。当時も本気で信じていた人ばかりではなかったけど、面白そうなスレの流れには全力で乗っかる素晴らしいネット文化があった。
こんなコメント書くとジーランス乙とか言われそうだなw