十五年も前の話です。既に地元には住んでないですが、この前当時の同級生と出会ってしまってずっと気持ちがモヤモヤしたので吐き出しで書きます。フェイクを所々に入れるので、もしかしたら辻褄が合わないところが出てくるかもしれませんがスルーしてください。
嫌な気持ちになると思います。ご容赦ください。
これはまだ私がポケモンスクールに通っていた頃の話。
10歳になればパートナーポケモンを持つ人もいれば、それよりも早くパートナーポケモンを持つ人もいますよね。私が後者でした。
私が住んでるのはとても田舎で、親が迎えに来れるならまだしも共働きの両親だったうちでは万が一があったら私一人では対処に困るということで、スクールに通い出す頃に近所の森で父がスボミーを連れてきてくれました。とても大人しい子で、まだ7歳の私でもお世話をするのに苦労しない子です。
スクールに通い出して数年が経った頃、ポケモンのタイプについての授業がありました。
その時に、先生から「どくタイプのポケモンはかなり危険です。子供たちだけしかいない時に無闇に近づかないように」とおっしゃいました。先生の言うことは正しいと思います。
それでグループワークの一環で町付近にいるポケモンは何タイプかを調べることになりました。それぞれ東西南北に分かれての調査でした。
おそらくここまで書けばどういう流れになるかわかるかと思います。
そうです。私のスボミーは危険などくタイプと同級生から非難を受けることになりました。
当時の私の年齢が調査できる範囲では、どくタイプのポケモンはスボミーと数匹のむしポケモンだけでした。たまたまですが、当時同級生の中には一人もむしポケモンをパートナーにしている子はいませんでした。
でも私のスボミーは誰かを襲ったことはありませんし、もし胞子を発散したかったら父が森の奥深くに行って定期的に発散させに連れて行っていました。数年もの間、私と一緒に登下校していた子たちも怖いと言って私に近づこうとしませんでした。
初めは無視、次にヒソヒソと私にも聞こえそうな声での陰口、次に男子からのからかいの言葉……と酷くなっていきました。
でもいったい、何が問題なんだと今でも思います。スボミーは基本、登下校の時にしか出しておらず、授業中はボールの中にいてもらいました。しかし当時の幼すぎた私は、日々ストレスが積もり父や母に八つ当たりをしました。なぜ捕まえたのがこの子なのか。ノーマルタイプの子なら何も言われなかったのにと。
当然、両親が何もしてくれなかった訳ではありません。学校に相談して、先生の授業は間違っていなかったこと。しかし、今子供たちは極端に物事を捉えすぎていること。それらを踏まえてもう一度授業をしてほしいということ。先生はそれを問題視してくれて、確かにタイプの授業をもう一度行ってくれました。しかし、子供というのは賢いものですね。それでも私は水面下ではずっといじめられていました。
そしてとうとう、耐えかねた私はスボミーを森に捨てました。スボミーは悪くない、私が悪いと泣きながらスボミーを置いて走りました。
モンスターボール自体は持っていたので、ずっとボールからスボミーを出さないんだな、と周りから思われていたのではないでしょうか。
そして数日経った頃、町の近所で大きなポケモンが現れたと先生から注意が入りました。放課後に残って遊ぶことや自習することはしばらく禁止になり、その日からめったにしなかった集団下校が始まり、やはり私は居心地が悪くずっとうつむいていました。
そして、なんという偶然でしょうか。先生の言っていたポケモンが私たちの前に現れました。とても興奮していて、私たち全員その殺気に怖気付いて動けずにいました。危険な時には逃げろといいますが、本当に危険な目にあった時、動けないんですよね。こわくて。
一歩、ポケモンが近づいた時です。すぐ横にあった茂みが動きました。全員、そちらに目をやると出てきたのはスボミーでした。
スボミーは自分より何倍も大きなポケモンにとっしんしていきました。ダメだ!と思いました。かなうわけがないと。でも、大きなポケモンがスボミーを片手で引っ捕まえた瞬間、スボミーは胞子を出したのです。たまたまなのか、スボミーの計算なのかはわかりませんが、私たちは風上にいたおかげで被害を受けることなく、大きなポケモンだけがその場に倒れて寝始めました。スボミーはねむりごなを覚えていたようです。
スボミーに近づいていくと、スボミーは私の足に擦り寄ってきました。あんなに私は酷いことをしたのに、とまた泣きました。ごめんね、とずっと言っていたと思います。見回りのお巡りさんが来ても泣き続けました。
それからは、学校に行くことなく自宅学習プログラムで勉強をしました。私が原因で引っ越すなんて両親にも悪かったし、なにより庭付きで日当たりがいい家がスボミーには最適だったので、引越し先も同じ条件かどうかが保証できないのであればこのままでいいと思ったのです。
たくさん勉強して、受験を経て住んでいた町から遠く離れた全寮制の学校へすすみました。もちろん、スボミーも一緒に。私はポケモン特化ではなく、勉強に力を入れた学校に入りました。ポケモンバトルやコンテストは、見るのは楽しいですがやはり私には向いてないと思ったのです。
今は学校も卒業して、大きな街で暮らしています。スボミーも、今はロズレイドに進化しています。今住んでいるアパートメントのベランダや窓辺の植物のお世話は、もっぱら彼女の仕事です。
たまたま出会った当時の同級生は、なんとなくぎこちない感じで挨拶をしてきました。たぶん、当時のことを無かったことにしたかったのかな、と思います。私が困っていると、ロズレイドがほんの少しだけ、胞子を同級生に飛ばしました。それに驚いた同級生の隙をついて、ロズレイドは私を引っ張って逃げてくれました。
当時のことが無いことにはなりません。同級生が私にしたことも、私がスボミーにしてしまったことも。でも、それを忘れることはしませんが、抱えて生きていこうと思いました。せめて今、ロズレイドに恥ずかしくないよう、私なりに強くなろうと思いました。
長文駄文でごめんなさい。すっきりしました。
ロズレイドと朝食を食べに行きます。
みなさま、良い一日を。
主さんが可哀想とは思えるほど私は優しくはありませんが、今スボミーがロズレイドに進化できたのなら慰める言葉など、かける必要はなさそうです。
私の相棒はあくタイプでした。賢く、強く、そして美しい。そんなポケモンでした。いじめなんて物とは言えないソレは、とても思い出したくない物です。
主さんのロズレイド、大切に育ててあげてくださいね。きっともっと美しく輝けると思うので。
主さんの気持ちめっちゃ分かります。
ウチの相棒はむしタイプなんやけど、スクールでそういう授業受けていじめらたことある。
けど、今は主さんはロズレイドと一緒に幸せになってるからきっと大丈夫。相棒は何時でも味方やで。
主さんのロズレイド、きっともっと美しくなれるから、大事にしてあげてください。
主さんもご自愛ください。