たまに聞いたりする、トレーナーの連れているポケモンが衰弱したポケモンを助けること。私のポケモンには絶対ないと思ってました。
私の連れているポケモンはランプラーで、名前は「ランちゃん」です。ヒトモシの頃から一緒に暮らしてます。
私は2年前、体調を崩したスタッフさんの代わりとして珍しく夜に出勤することになり、ランちゃんに夜道を照らしてもらってました。すると、草むらからガサゴソと音が聞こえ、ランちゃんもそっちに向かったんです。
危ないと思ってボールに戻そうとしたんですが、ランちゃんが一直線に行くのでこれは何かあると思い、先に出勤しているスタッフさんに連絡を入れてついていくことにしました。
すると、傷ついて倒れているマメパトをハトーボー達が心配しているのを見つけました。ランちゃんはマメパトとハトーボー達を照らすように浮いて、今のうちに助けてあげてと言わんばかりに私の方を見てきました。
私はそれに応えて、ハトーボー達が見守る中早急にマメパトの治療をしました。おかげでマメパトは歩けるようになりました。でもまだ飛べません。
なので、このマメパトが飛べるようになるまで仮の名前をつけ、保護することにしました。名前は「マーちゃん」です。
ランちゃんはマーちゃんが心配みたいで、保護したあともずっとマーちゃんから離れませんでした。それからランちゃんはマーちゃんのためと、毛布を持ってきてくれたりエサ箱を持ってきてくれたりと働き詰めでした。私よりも働いていたかもしれません。
本来、ランプラーは不吉なポケモンだと言われてきました。でもうちのランちゃんは、全くその行動をとらなかったんです。むしろ、マーちゃんが元気になっていくところを見て喜び、体の中の火をいっそう明るくしたりしてました。まるでお姉さんみたいで、とても嬉しくて泣いてしまいました。
ランちゃんも元々野生で、瀕死状態で動けなくなっていたところを助けて、誰も引き取らなかったのでうちに来たんです。
そしてこの間、ランちゃんが私を呼びに来たので、すぐにマーちゃんの元に行ったんです。すると、マーちゃんが元気に飛んでいたんです!好物のオレンのみのかけらをくちばしにつけたままで飛んでいて、可愛くて嬉しくて感動しました。
そこで私は思ったんです。このまま野生に返したら、トレーナーからエサをもらってばかりだったので、野生で生きていけなくなってしまうのではないかと。なので、マーちゃんはうちのポケモンとして迎え入れることに決め、今はもりもりきのみを食べたおかげかハトーボーに進化して、きのみが足りなくて困っているところにきのみを運ぶお手伝いをしています。
もしどこかできのみの入った箱を運ぶハトーボーを見つけたら、ぜひマーちゃんと呼んであげてください。喜んでパタパタと翼を羽ばたかせたら、その子は紛れもなくマーちゃんです。
ランプラーは生物の魂を吸い取ることから不吉とされています。本来、弱っているポケモンはランプラーにとっては格好の獲物ですが、ポケモンセンターで働く人間を見て真似たくなったのかもしれませんね。ゴーストタイプというのは掴み所のないポケモンばかりですから。